Thanks for Playing
機動戦士ガンダム 戦場の絆
Now Loading...
大会リプレイはコチラ
大会トップに戻る
大会レポート

『機動戦士ガンダム 戦場の絆』オフィシャル大会 –LAST SHOOTING– レポート

15年にわたって運営されてきた『機動戦士ガンダム 戦場の絆』。その集大成の場として『戦場の絆』プロジェクトからの最後の贈り物として用意されたのが6月26日にTOC五反田メッセで開催された「オフィシャル大会 –LAST SHOOTING–」です。

新型コロナウイルス蔓延防止の観点から、無観客での開催となりましたが、予選から決勝までフルに配信されました。そんな状況下、会場に足を運んでレポートさせていただくという大役を仰せつかった私、AppBankライターのCHUこと佐伯憲司が「オフィシャル大会」の現場の模様をお伝えしたいと思います。

どこまであの空気を文章と写真でお伝えできるか不安はございますが、本作が世に初めてお披露目された2005年の「キャラクター&ホビー コレクション2005」以来、本作とは長い付き合いでもありますので、ちょっと昔のお話からこのレポートを始めさせていただきます。

▼アーカイブはこちらです。

会場オープンと共に15年の歴史が見学者にもよみがえる

私と『戦場の絆』との初めての出会いは2005年、本作の筐体「P.O.D.」が初披露された時のステージでした。短い映像でしたが、「ニューヤーク」だけではなく、「グレートキャニオン」も同時にお披露目されていました。パイロットカードは100回で次のカードに更新するリライタブルカードで、地球連邦軍、ジオン公国軍それぞれで1枚ずつ持つ仕様でした。なお、カードスロットが上下2枚用意されていたのが正式稼働版とは違っていました。

そこから2005年9月の「アミューズメントマシンショー」でグレートキャニオンでの試遊ができるようになり、2006年の5月には、プラボ中野店(現:namco中野店)でのロケテストを経て、8月の終わりぐらいから中野、都築、郡山、王子での先行稼働でニューヤーク→グレートキャニオンと戦場が移動し、そのころ「ガンダム」がちらほら見かけられるようになり、11月からの全国稼働……。

なぜこんな話に文字量を割いたのかといいますと、今回の「オフィシャル大会」が開催されることがJAEPO 2020の『戦場の絆』ステージで初公開、さらに5月の公式生放送で詳細が告知され、6月26日が迫ってくる間、こうした昔の記憶が何かにつけ自分の中によみがえってくるという体験をしたからです。

中野、王子、新宿、渋谷、代々木、恵比寿、五反田、神保町、秋葉原といった都内だけでなく、地元、実家のそば、旅行に行った先々でも「P.O.D.」を見つけては数限りなくプレイさせていただいた時の思い出たち。最初は1日に何回プレイできるのかわからない待機列ができ、整理券が配られて待ち時間中にご飯を食べに行ったり、隣に座っていた見ず知らずの方とお話させていただいたり。まだスマートフォンの前、ガラケーの時代でしたね。

偶然マッチングした同店舗の方とプレイ後にリプレイを見ながら戦術やモビルスーツに関してのお話をさせていただいたり、大会に顔を出すと所属店舗の話をしただけで、「ああ、あそこの大将や〇〇さんはよく知ってますよ! よろしくお伝えください」と言われたり。そうこうしているうちに、有名プレイヤーさんともお話をさせていただくようになり、オンラインでパイロット名を見るだけで震え上がったり喜んだり……また脱線してしまいました。

とにかく、これまでにいくつものアーケードゲームをプレイしてきましたが、その中でも『戦場の絆』は個人技の戦いとチームでの戦いの融合であったこと、そして声がつながる対戦とシンボルチャットでの対戦、それぞれに楽しい、厳しい思い出がいくつもあり、今回のオフィシャル大会の開催日が迫る中、日常の出来事とリンクしながら、それらが次々とよみがえってきたのです。ちなみにそんなに記憶力はいい方ではなく、人の顔や名前はすぐ忘れてしまって困るのですが、『戦場の絆』のパイロットネームは割と覚えていることにも今更驚いています。

お店に行ってネットワーク越しに対峙した、一緒にチームとして戦った方々、一緒にバースト出撃してくださった方々に「戦友」と思える体験をしたのも、私にとってはこのゲームが初めてでした。私のような古参から、最近始めた方まで、いろんなパイロットの方がこの「オフィシャル大会」に参加されている……と聞いた時も、1dayトーナメントとはいえ、よくぞここまで続けてこられた、この大会に参加していただいた、と思わずにはいられませんでした。

会場に入ってみると、予選参加者の椅子はソーシャルディスタンスを確保して配置、筐体1戦ごと、椅子すら移動されるごとにアルコール消毒されていて、運営の方々のひとつひとつの努力で成り立っていることにも心動かされるものがありました。

また、前日の設営もお邪魔させていただきましたが、『戦場の絆』プロジェクトの皆様含め、メンテナンス担当の方々が筐体を運び込みセットアップし、レバーやペダルのイニシャライズや部品の交換、プロジェクターの整備など、大会当日も会場オープンギリギリまで調整されていた姿もしっかり心に焼き付けさせて頂きました。一部、レバーの調整の感想などを聞かれてゲストプレイさせていただきましたが、こんなコンディションの筐体は今どきめったにない! と思えるところまで気を使われていたのに感動しました。

筐体は15年もの、レバーなどの消耗品はもう何度も交換されていて、現在はデッドストックとなっているものも数多く、関係各所にあたってかき集めてこられていると聞き(去年のJAEPOの時もそうでした)、「当日は上手く動いてくれ……!」と祈る気持ちでいっぱいでした。

チームごとに受付を済まされ、『戦場の絆』のロゴの前での記念撮影を済ませた後、パイロットの皆さんそれぞれ旧交を温めたり、日ごろオンラインで出会っていた戦友との初遭遇だったりと、実際に会えたことを喜んでいたようでした。

4人が同じ会場に同じ時刻に集まる、ということも『戦場の絆』を始めチーム対戦ゲームの大会では重要なことで、なかなか4人目が来ないチームが戦友の到着を待ちわびている姿にすら、2010年の「オフィシャル全国大会」や2011年の「ブロックNo.1チーム決定戦」のことが脳内を駆け巡っていました。

私も少ないですが知り合いがおりましたので、「楽しんで!」と仕事中に関わらず、声をかけさせていただきましたが、「オフィシャル大会」予選直前だというのにリラックスした笑顔がたくさん見られて、自撮りやチームでの記念撮影をしていた様子も心が温まりました。コロナ禍のご時世もあり、この大会は、こうして長年稼働してきたゲームの戦友が大勢でリアルに会う貴重な機会にもなっていたんだな、ある意味同窓会的な場にもなっているんだな、と感じました。

また、配信画面のコメントでも、いつから『戦場の絆』をプレイしはじめたか? やミノフスキー粒子散布などなど過去のRev.(リビジョン)でのイベントなど、思い出話に華が咲く時間もありました。

初戦から熱戦の連続! 予選トーナメントスタート!

11時30分、オープニングムービーと共にいよいよYouTubeでの配信も始まり、コーリーさんこと郡正夫さん、喜屋武ちあきさんのMCおふたりと、解説のカバパンさんがステージに登場。

「いよいよ始まりましたね」(コーリーさん)、「稼働初期からオンタイムで走り続けてきたので、感慨深いものがありますね」(カバパンさん)、「カバパンさんにとってもラストシューティングですね」(喜屋武さん)と3人のトークのあと、目いっぱいの予選スケジュールのため早速解説席へと移動。

全プレイヤーの代表(残念ながらこのご時世、1チームが辞退、ほかにも事情で来場できない方もいらっしゃいました)となる32チーム128名がトーナメントでぶつかるこの大会、予選は午前16チーム、午後15チームと2回にわけて1戦勝利での勝ち抜けルールで行われました。

予選参加の16チームが1チームごとチーム名、パイロット名がコーリーさんのイケてるボイスで呼び込まれ、ワンポーズからくじを引く、という流れでトーナメントのポジションが埋まっていきます。

チームごとに決めポーズを考えてバッチリきめるチーム、軽いピースサインでくじを引くチームなど、この時点でチームごとのカラーが見える入場シーン。プレイヤーなら知っている、対戦したことがある、一緒に戦ったというパイロット名が出てくるたび、YouTubeのコメント欄も盛り上がりを見せていました。

ここであおにゃんこと空野青空さんからビデオメッセージが。「『戦場の絆』のフィナーレを飾る最後の大会ということで、絶対に会場でアツい空気を感じたかったのですが、スケジュールが合わずかたじけない。悔いのないように存分にぼんぼってください!」と予選出場チームにアツいエールのコメントを贈っていました。

さて、予選の組み合わせが発表されてみると、大会に何度も出場しているメンバーが所属するチームがちらほら。ジャンケンで勝ったチーム側が軍かステージ(ニューヤーク、サイド7の正規ステージのみ)を選択、負けた側が残りを選択というおなじみの方式で、シングルエリミネーションの1戦勝負です。まさに一発勝負。

早速、ステージの選択理由や軍の選択の理由、編成の見どころなどをカバパンさんが解説。チームで今何が話し合われているのか、注目パイロットはだれか、どんなモビルスーツが得意か、トレンド機体はどれか? という細かいところまでも言及し、観戦側にもわかりやすい情報を提供していました。

個人的には、フライトモード+バックブラスト武装を持つ「Zガンダム」を軸とした前衛+「量産型ガンタンク」とある程度まとまっている地球連邦軍の編成に対して、ジオン軍側はどんなメタ機体をぶつけてくるのか、どんな戦術のぶつかり合いになるのか興味深いカードばかりでした。両軍ともトレンドにもなっているフライトモード機体が逆サイドに高速移動で回り込んだり、変型時の長射程の攻撃で瞬間逆サイドにアプローチしたりと活躍が見られました。

ゲームの性質上、接敵までは各陣営の編成を伝えない、ボイスチャットも伝えられないという配慮がされており、映像面もリアルタイムリプレイの全体マップ映像に加え、注目ポイントのコクピット映像、マッチアップした敵味方2名のコクピット映像+表情+全体マップと多彩なアングルで見られる充実したカメラセッティング。15年稼働してきた本作をどう見せたら皆さんに喜んでもらえるか、大会の空気感をつかんでもらえるのか、アイデアと工夫が見られ「わかってるなあ」と思わされるものになっていました。

予選~ベスト8までは2戦同時進行となったため、配信されていない試合も見に行ってみたのですが、会場にいて思ったのは、それぞれのメンバーがどんな話をしているのかがわずかながらでもうかがえて、大会を真剣に楽しんでいる様子が伝わってきたことに感動しました。正直、1戦勝負のトーナメントはどのチームが勝ってもおかしくない対戦ばかりでした。

コーリーさんのMCとカバパンさんの解説も、『戦場の絆』ファン、ガンダムファンどちらにも興味を持ってもらえるようなポイントを押さえたわかりやすいやりとりで、多角的な視点がより試合が楽しめる、参考になる話もあり、あっという間でもあり1戦1戦の密度の高い好カードが続きました。

試合内容的にもAP(耐久値)の削りあいからの切り離しによる数的有利からの攻めと、数的不利側のがんばりによる拠点攻めや釣りでの健闘など、大会ならではの編成、タイムラグのないバースト(同時)出撃ならではの息の合った押し引きが見どころだったのですが、あれもこれも見たい! と思える試合ばかりでした。

その中でも特に感動したのは、注目されるエースパイロットの頑張りだけでなく、攻めた際の結果、APが不利になって予定通りの動きができなかった時の後ろや反対サイドで即フォローするといったチームメイトの裏方的動きです。直接攻撃はできなくても、逆サイドで味方が粘って、次のマッチアップでエースが再起するのを助けたり、そのまま逆サイドが敵チームにプレッシャーをかけ続けて拠点攻略を遅らせたり……。チームならではの味方のさりげないケアが、リアルタイムリプレイのモビルスーツたちにも表れているように思いました。

ファーストアタック(最初の拠点砲撃)~セカンドアタック(2回目の拠点砲撃)の間の遠距離砲撃型の援護射撃を受けやすいよう敵の位置をコントロールしたり、タイミングよく撃破されてリスタート、瞬間数的有利を作ってモビルスーツを撃破してあっという間に戦力ゲージを逆転させたり、プレイヤーならアツくなること間違いなしの熱戦が何度も繰り広げられていました。

▼鉄板といわれるものだけでなく、色々なプランが盛り込まれた編成の数々が見られました。

上に掲載させていただいた編成画面。大会の開催告知から当日まで1か月ほど。大会前のアップデートの最後「Rev.4.34」の実施が5月10日。そこから1か月半で、4vs4の個人裁量の大きいレギュレーションでの編成のバリエーションの多さには感嘆の声が出ました。なんでこの機体が? この編成なのか? それを煮詰めてきたのか? 一発勝負で使うにはリスクの大きい編成もあったと思います。それがただの奇策で終わるのか、練習の成果として結果に結実するのか。それも『戦場の絆』の、本大会の見どころのひとつだったと思います。

▼予選トーナメント終了時のトーナメント表になります。全チーム、激戦を戦った皆さん、お疲れ様でした!

白熱必至の決勝トーナメント! 1-1からの各チームの武力と知力のぶつかり合い

予選前半から4時間あまりの時が経ち、ついに決勝トーナメントがスタートしました。ここに駒を進めたのが8チーム。ここからは1チームごとに呼び込みがあり、両軍ステージから「P.O.D.」へという流れになりました。ここまでくると「P.O.D.」内の映像でも、どのチームからも戦いに慣れた風格のようなものが感じられました。

試合内容も瞬きしているうちに戦力ゲージの優劣の立場が変わる接戦や、メタ編成に対しての練習の成果を実力通り発揮できた戦い、長年チームを組んできた結束力と、大会優勝経験者と優勝するためだけに集められたという強豪との力と力のぶつかり合いなど、さらに密度の濃い試合が展開されました。

ステージに合わせた編成の変更だけでなく、「νガンダム」や「ガンダムMk-II(ティターンズカラー)」など、決勝トーナメントになって初めて登場する機体がいたり、敵編成を読んでの護衛⇔アンチの配置転換や途中での切り離しといった立ち回りの妙が見られました。

ここまでくると勝ち残ったチームより負けたチームの方が増えていきますが、残念ながら負けたチームの方々も、そのまま残って応援に回る方も多くいらっしゃり、配信でもコメントを残して下さっていたのは、無観客での大会を盛り上げてくれた一助となったと思います。

ここからは準決勝。先に2勝した方が勝ち、という「2先」のルールとなりました。

準決勝その1:「ラストバタリオン」vs「大宮Last Shooting」

最初は「ラストバタリオン」と「大宮Last Shooting」のほぼ身内対決。

<1戦目>

「大宮Last Shooting」がジオン軍に回った1戦目、ステージは「ニューヤーク」。「ユニコーンガンダム」を「ガ・ゾウム(袖付き)」と「ザクII寒冷地仕様」の2機が「ギガン」の護衛を受け持ちつつ前にラインを上げて抑え込み、そのまま「ユニコーンガンダム」のコストを回収してリスタートレベルの高い同機にさらにプレッシャーをかけてラインを上げて制圧するという好判断。これによってジオン軍が勝利。

<2戦目>

軍を入れ替えた2戦目は、ドーム前の「ユニコーンガンダム2号機 バンシィ」と「シナンジュ」のピリピリと均衡した試合運びと、「ガンダム(THE ORIGIN)」と「デルタプラス」による「ジム・キャノン」の拠点攻撃チームに「ゲルググM(S)」と「ギャン」のアンチが真っ向勝負でぶつかり合い「ジム・キャノン」を抜いて撃破する健闘ぶりを見せたジオン軍が、拠点攻撃でも3拠点目を残して先行。

そのままひな壇からセカンドアタックに入ったジオン軍と、ようやく拠点を撃破できた地球連邦軍という展開に。「ジム・キャノン」の「追加弾(焼夷榴弾)」の雨がひな壇周辺に降り注ぎ、ひな壇周辺のジオン軍前衛を削っていきますが、残り50カウントで拠点を撃破したジオン軍の「ザクタンク」からの「追加弾(拡散弾)」での逆襲が始まります。「ギャン」と「シナンジュ」のコストを使い、右ルートからの地球連邦軍の砲撃を「ザクタンク」の拡散弾や前衛機の活躍でダウンさせて遅らせたジオン軍の勝利となりました。

<3戦目>

「大宮Last Shooting」が2戦目に続いてジオン軍、「ラストバタリオン」が地球連邦軍となった3戦目。「ラストバタリオン」は「4連装ボップ・ミサイルB」を装備した「量産型ガンタンク」にスイッチ。それ以外は同じ機体選択となりました。ジオン軍が拠点攻略でリード、地球連邦軍は護衛が機能し戦力ゲージ270差の状況でお互い右ルートからのセカンドアタックに移行。

拠点復活前に右→中央→左へと移動した地球連邦軍に対して拠点攻略スピードで先行したジオン軍は、瞬間護衛に入り「ガンダム(THE ORIGIN)」を撃破、そのまま拠点も撃破して敵ゲージを飛ばしての勝利。「大宮Last Shooting」が決勝に駒を進めました。

準決勝その2:「中野闇風組合」vs「頂点の顕現」

準決勝2つめの対戦は「中野闇風組合」と「頂点の顕現」。タンカー同士の師弟対決に加え、こちらも元チームメイトが分かれて別のチームを組んだ対決となりました。

<1戦目>

1戦目、「中野闇風組合」が地球連邦軍、「頂点の顕現」がジオン軍、ステージは「サイド7」。「ガンダムF90」2機と「ガンダムF91」という3格編成となった地球連邦軍に対し、「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」がアンチ、「ザクII寒冷地仕様」が護衛と固定でフライトモードでの索敵で「ガ・ゾウム(袖付き)」が右ルートへ移動、2アンチ1護衛の形に持っていったジオン軍。

拠点撃破はほぼ互角でしたが、「ガンタンク」がかなり削られて撃破された代わり、右ルートに「ガンダムF90」を派遣して「ザクII寒冷地仕様」の撃破を狙った地球連邦軍。「ビーム・サーベル」と「ビーム・サーベルS」の双連撃で「ザクII寒冷地仕様」のAPを瞬間で残りあとわずかというところまで持っていったところで、クイックドロー外しからお互いがお見合いをしたわずかの隙に「ガ・ゾウム(袖付き)」が瞬間左ルートに寄り、「ギガン」がタックルでカバー。この動きにより「ガンダムF90」のAPを残り僅かまで減らし、「ザクII寒冷地仕様」のリスタートで再び護衛が成立。

終盤、3機の格闘型で右ルートを後退する「ザクII寒冷地仕様」と「ギガン」の撃破ができれば引き分けの芽が残っていた地球連邦軍でしたが、それまでAPを温存していた「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」と「ガ・ゾウム(袖付き)」のサポートもあり、逆に「ガンダムF91」が撃墜されてしまい、戦力ゲージを逆転できずタイムオーバー。ジオン軍の勝利となりました。

<2戦目>

軍を入れ替えた2戦目。ジオン軍の「中野闇風組合」は「高機動型ゲルググ」の1アンチ、「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」と「ガ・ゾウム(袖付き)」の2護衛。地球連邦軍の「頂点の顕現」は、「重地雷」で自衛力のある「陸戦強襲型ガンタンク」で拠点攻略、「ガンダムF90」、「νガンダム」の2アンチから、護衛に入る気配を見せ索敵した「Zガンダム」が「ビーム・ライフル」でのバックブラストからフライトモードでアンチ側へ高速移動。

「高機動型ゲルググ」もそれについていく形となり、地球連邦軍が拠点攻略に先行し、「陸戦強襲型ガンタンク」が敵拠点右側に抜けて「重地雷」を設置後再び単独で拠点攻略を始めた頃、「νガンダム」→「ガンダムF90」とジオン軍が撃破。3拠点目を残しつつ左ルートに展開する地球連邦軍でしたが、「ザクタンク」の「追加弾(拡散弾)」で「Zガンダム」も失ってしまい、3拠点を達成しても戦力ゲージ的に不利になってしまう状況に。前衛が敵軍に突っ込みモビルスーツ戦を仕掛けましたが、最後は「νガンダム」が乱戦の中「ガ・ゾウム(袖付き)」に撃破され、ジオン軍が2本目を取り返し、こちらも1-1と3戦目にもつれ込みました。

<3戦目>

「中野闇風組合」が地球連邦軍、「頂点の顕現」がジオン軍、ステージは引き続きサイド7で始まった3戦目。地球連邦軍は「Zガンダム」2機+「ガンダムF90」を投入。それを受けるジオン軍は2戦目の編成から「ザクII寒冷地仕様」→「ガザD(袖付き)」にスイッチ。「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」とともにフライトモード機体2機がアンチに回り、3アンチの形に。「Zガンダム」1機が「ガ・ゾウム(袖付き)」にAPをかなり削られた180カウント前後、筐体トラブルにより試合が中断となってしまいました。

約50分ほどの時間で筐体の整備が行われ復旧。両チーム協議の結果、同じ編成、同じステージで3戦目が再戦となりました。

<3戦目(再戦)>

両軍ともほぼタンクがフリー状態でアーケード側→ジオン軍拠点側での間合いを取った1vs1の削りあいとなり、地球連邦軍をジオン軍が前衛+支援弾で囲む形に。「Zガンダム」との射撃戦でAPが削られた「ガザD(袖付き)」を攻め、瀕死に追い込んだ半面、「Zガンダム」2機がほぼAPが半分、というジオン軍がやや有利と思える状況となりました。けん制しながら自拠点付近に後退した「ガザD(袖付き)」に「ガンダムF90」が肉薄するものの、連撃で返り討ちにあい、こちらもまたAPを削られるピンチ。さらに、両軍のセカンドアタックが終了したところから戦局が大きく動きました。

APほぼ満タンの「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」が「量産型ガンタンク」をけん制してラインを下げさせつつ、距離を取っている間に、「ガザD(袖付き)」が2機の「Zガンダム」に突貫。「ガ・ゾウム(袖付き)」の援護を受け、「Zガンダム」1機とのコスト交換に成功。連動して「量産型ガンタンク」に「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」が迫り、連撃ループでの撃破に成功、戦力ゲージは230とジオン軍リードの展開に傾きました。

わずかに3拠点の芽が残っている「ギガン」が中央ルートの砲撃地点に移動し「ガンダムF90」を1機釣っている間、もう1機残っていた「Zガンダム」が残り28カウントで撃墜され、コスト差は510に拡大。前衛をバックさせたジオン軍が勝ちを確定させました。

逆転に次ぐ逆転! ついに決勝戦がスタート

予選開始から7時間半。ついに「大宮Last Shooting」と「頂点の顕現」による決勝戦へと突入しました。

「このチームに勝たずしてRev.4の大会に最後勝ちましたとは言えない。頑張ります」とまとめた「大宮Last Shooting」のリーダー「TheBeast」選手と、「絆の集大成として両チームが出ているわけですけれど、一番いい試合を届けられたらなと思います」と「頂点の顕現」のリーダー「オカダンゴムシ」選手の壇上での言葉に、配信コメント欄も両チームを応援するコメントがずらっと並びました。

▼決勝戦に進出した「大宮Last Shooting」(左4名)と「頂点の顕現」(右4名)

決勝:「大宮Last Shooting」vs「頂点の顕現」

<1戦目>

1戦目は「大宮Last Shooting」が地球連邦軍、「頂点の顕現」がジオン軍。ステージはサイド7での戦いとなりました。「ユニコーンガンダム」の単騎アンチを「ザクII寒冷地仕様」が護衛として受け、「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」と「ガ・ゾウム(袖付き)」の2アンチを「ガンダムF90」と「Zガンダム」が受けるという戦力配分。

お互いが拠点を撃破した時点で、「ユニコーンガンダム」の残りAPは約1/5、「量産型ガンタンク」の残りAPが1/2、対するジオン軍は「ギガン」の残りAPが2/3といったところで、「ザクII寒冷地仕様」が「ユニコーンガンダム」を撃破。リスタートしたところを「ギガン」の「追加弾(焼夷榴弾)」、前に詰める「ザクII寒冷地仕様」に加え、アンチに回っていた「ガ・ゾウム(袖付き)」が転身し、拠点裏からリスタートした「ユニコーンガンダム」を3機で挟む位置取りで右ルート奥まで押し込んでいきます。

地球連邦軍も遅れて「Zガンダム」を派遣しつつ、敵拠点を先んじて撃破し、「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」も撃破、戦力ゲージ差は480の地球連邦軍リードと逆転しました。

瀕死となった「ユニコーンガンダム」を拠点回復に戻し、護衛の「ガンダムF90」を中央ルートからアンチに転身させるも、地球連邦軍拠点の耐久力は残り1/5、「ユニコーンガンダム」が撃破した「ギガン」、そして「ザクII寒冷地仕様」が左ルートから再び拠点攻略にとりかかるという状況に。

さらに疲弊した「Zガンダム」が拠点付近に移動したところを見逃さずラインを上げた「ガ・ゾウム(袖付き)」が回復中の「ユニコーンガンダム」を撃破、「ギガン」が拠点を撃破し戦力ゲージは120差でジオン軍の優勢と再び逆転しました。

「量産型ガンタンク」を回収しその差は290へと広がった残り40カウント。一見、「ギガン」を前に残し「ザクII寒冷地仕様」を後退させたジオン軍の優勢に見えましたが、「Zガンダム」と「ガンダムF90」との乱戦で「ザクII寒冷地仕様」が落ち、残り10カウントから前線でおとり役となった「ギガン」が「ユニコーンガンダム」の5連撃+「ビーム・マグナム」を食らって瀕死に陥りつつもダウンをもらった後、オートパイロットの無敵を使うためエリアオーバーしようと下がった「ギガン」の無敵時間が終わったのか、「ユニコーンガンダム」に撃破されるという緊急事態に。ここで戦力ゲージが再び30差と逆転、左ルートで即リスタートした「ザクII寒冷地仕様」の援護も間に合わず……。残り3カウントでの逆転劇で決着しました。

<2戦目>

「Zガンダム」をアンチと護衛に1機ずつ派遣し、「ガンダムF90」も「陸戦強襲型ガンタンク」の護衛に回し、2護衛1アンチの形でスタートした地球連邦軍と、「ザクタンク」の護衛に「シナンジュ」、「ギャン」と「ゲルググM(S)」をアンチに派遣したジオン軍。右ルートの様子を確認した「Zガンダム」は「シナンジュ」を引き連れて左へ移動。中央の高台を挟んで回り込み、瞬間数的有利を作ります。

ファーストアタックはジオン軍が先行。「追加弾(拡散弾)」での支援を始めようと高台を回りこんだ「ザクタンク」。「ギャン」と「ゲルググM(S)」は被弾が多めだったこともあり、両者撃墜されてリスタート。戦力ゲージが530差で地球連邦軍リードとなります。

そのスキをついて「Zガンダム」1機が「ザクタンク」を止めに中央ルートにフライトモードで高速移動します。リスタートした「ギャン」が護衛に向かうも、2機の「Zガンダム」に挟まれる形の数的不利となります。

地球連邦軍の拠点攻略チームも同じく数的不利の状況。「陸戦強襲型ガンタンク」の「重地雷」を警戒しつつ、ジオン軍アンチチームが「陸戦強襲型ガンタンク」を撃破するも、護衛の「ガンダムF90」は残り体力1/2で生存、リスタートした「陸戦強襲型ガンタンク」を迎えに右ルートに移動。

かたやジオン軍は「ザクタンク」を撃破されるも、「ギャン」は無傷。「ガンダムF90」と「陸戦強襲型ガンタンク」に前衛3機が殺到、2機を撃破し、そのまま3アンチを継続、逆サイドへと走ります。

地球連邦軍は「Zガンダム」1機がアンチに、「Zガンダム」1機が拠点に戻り全回復、両軍タンクは撃墜されリスタート、ほぼフリーの状態で再び拠点攻略にとりかかります。この時点で戦力ゲージは地球連邦軍が210リード。リスタート後、わずかに拠点砲撃地点に早く到着した「陸戦強襲型ガンタンク」がノーロック砲撃→ロックオン砲撃に移行し、残り54カウントの時点で、拠点耐久力は両軍ほぼ同じと状況が変化します。

そのさなか、高台付近で「ガンダムF90」がジオン軍前衛の3アンチに包まれるというピンチ。「Zガンダム」がフォローに入った時点で「ガンダムF90」の残りAPは1まで削られるものの、残り30カウントからそのまま起き上がりの無敵を利用しながら高台を迂回し、高跳び→エリアオーバーのオートパイロットで撃破されることなく時間切れに持ち込み、地球連邦軍の勝利。決勝戦も決勝トーナメントから続いてきた1-1の3戦目にもつれ込む形となりました。

<3戦目>

3戦目のじゃんけんは「大宮Last Shooting」が勝ち、ジオン軍を選択。「頂点の顕現」がニューヤークを選択しました。『戦場の絆』の始まりの地で、最後の決戦が行われることになりました。

地球連邦軍は「Zガンダム」1機を「νガンダム」にスイッチし、「ガンダムF90」との2アンチ、「Zガンダム」が1護衛。ジオン軍は「シナンジュ」が「ザクタンク」の護衛に、「ギャン」と「ゲルググM(S)」の強行2アンチという布陣となりました。

ジオン軍が2/3ほど拠点を攻撃できたものの、数的不利で「ザクタンク」を失い、対して地球連邦軍は砲撃地点前で敵アンチを「陸戦強襲型ガンタンク」が1機持ち粘ります。「ザクタンク」→「陸戦強襲型ガンタンク」の順で撃破され、お互いのタンクが逆サイドにリスタート。コスト交換で有利となったジオン軍は「ザクタンク」が単独行動、地球連邦軍は「νガンダム」が護衛に走ります。Iフィールドバリアを張りながらタンクからやや離れて援護する「νガンダム」を追いかけるジオン軍前衛3機。

一時はジオン軍全前衛が「陸戦強襲型ガンタンク」に付近に固まる状況もありましたが、APが残り1/3の「ゲルググM(S)」にタンク処理を任せ、格闘型2機がステージ中央に戻るころ、「νガンダム」が後退、入れ替わるようにフリーで中央ルートにいた「Zガンダム」が、タンクを処理しようとしていた「ゲルググM(S)」をフライトモードの「ビーム・ライフル」→モビルモードの「ビーム・ライフル」をバックブラストで連射して撃破し、援護します。残り116カウント、戦力ゲージ差は390となりました。

さらに「ザクタンク」がドーム上で「ガンダムF90」に捕まり連撃ループで撃破され、地球連邦軍のリードは550に。「陸戦強襲型ガンタンク」が前抜けに成功、遅れていた拠点攻略を急ぎます。結果、地球連邦軍が先に敵拠点を撃破しリードは1050に。ジオン軍は後退した敵前衛を「ザクタンク」が「追加弾(拡散弾)」で削ることを優先し、残り66カウントで敵拠点を撃破。550のリードから「ギャン」が撃破され、「シナンジュ」もついに堕ち、時間切れで地球連邦軍の勝利となりました。

こうして、「オフィシャル大会 –LAST SHOOTING–」の優勝の栄冠を手にしたのは「頂点の顕現」、準優勝は「大宮Last Shooting」となりました。

続いて表彰式に。中館賢プロデューサーがプレゼンターとして登壇し、トロフィーが授与されました。

中館プロデューサーからは「今日の試合、アツい試合ばかりで、バチバチした戦いが多くて、まさに『戦場の絆』の15年の歴史の集大成にふさわしい試合ばかりだったと思います。今日の大会「LAST SHOOTING」ということで、一区切りではあるんですけれども、まだまだ、全国のゲームセンターで『戦場の絆』は稼働しておりますので、引き続きプレイしていただきたいと思っております。」

「また、『戦場の絆』シリーズといたしまして、『戦場の絆II』へバトンを渡しまして、これからもシリーズとしての歴史を紡いでいきますのでぜひこれからも応援してもらえればと思っております。最後に、この『戦場の絆』の15年の歴史で、全国のゲームセンターでプレイしてくださった、すべてのパイロットの皆様に開発チームを代表して改めて厚く御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」とご挨拶がありました。

▼「頂点の顕現」が3戦目に勝利! メンバーは「P.O.D.」を出るなり嬉しさを爆発させていました。

▼『戦場の絆』の中館賢プロデューサーがプレゼンターとして登壇。

▼優勝、準優勝チームには中館プロデューサーからトロフィーが授与されました。

『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』は7月27日稼働開始!

このイベントのラスト、『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』の塚田夢人プロデューサーが登壇。新しいプロモーションビデオを公開、「今年夏」としていた本作の正式稼働日を「7月27日」と発表。また、namco池袋、namco梅田にて稼働前に7月10日(土)、11日(日)にロケテストを行うことも発表されました。

詳しくはリニューアルされた『戦場の絆II』公式サイトをご覧ください。

『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』第2弾 PV

▼塚田夢人プロデューサーも登壇。『戦場の絆II』の正式稼働日を発表しました。

▼イベント終了後、『戦場の絆II』の先行試遊も行われました。

『戦場の絆』にありがとうを

『戦場の絆』の最後のオフィシャル大会の1日はこうして終わりを迎えました。私はカメラポジションを変えながら、プレイヤーの皆さんの表情や試合の模様をリアルタイムリプレイで見ながら、会場にずっといさせていただきました。今まで取材中にこんなことはなかったのですが、途中から何を見ていてもなんとも言葉にできない感情がこみ上げて、泣けてきて困りました。さすがにこんな人はいないと思いますが、大会中の機体選択時のカーソル移動音を聞いているだけで涙が出てきましたし、誰かに話しかけられても鼻水交じりの涙声でしか会話ができない状態でイベントの終わりを迎えました。プレイ中は照明が暗くてよかった。きっと酷い顔をしていたと思います。

優勝コメントでの「オカダンゴムシ」選手が語った「このゲームは神ゲーだと思っている」という言葉、頂点に立ったからこそ見える景色があると思いますので、私の見解とは違うかもしれませんが、私もこのゲームは神ゲーだと改めて思います。それはプレイする場であるゲームを作り、送り出してくださった皆様、筐体を設置して運営してくださった店舗の方々だけでなく、15年の間、250カウントずつ、同じ時間を共有してくれた、戦場で一緒に、相手として戦ってくださった、顔も知らないどこかのプレイヤーの皆様がいて、自分がそこに参加してこそのことだったのだな、と振り返ります。

そして7月27日から『戦場の絆II』が稼働を開始します。『戦場の絆』シリーズとしての魅力は『戦場の絆II』へも引き継がれ、育まれていくことを願っています。

大会の最中もぐるぐると脳内を駆け巡っていた『戦場の絆』との日常の思い出と、1日、このゲームに最上級の思い入れを持った方々が集まった最後のオフィシャル大会という非日常がリンクしたその現場にいさせていただいたことは、自分にとってもひとつの集大成を感じられた幸せな時間でした。出場された皆様、運営の皆様、配信をご覧になっていた皆様、ほか関係各位の皆様、そしてなにより『戦場の絆』に「ありがとうございました」をお伝えして、このレポートを終わりとさせていただきます。

©創通・サンライズ

大会リプレイはコチラ
大会トップに戻る

PAGETOP